5,980円でラピッドトリガー搭載。 最初は「価格設定ミスか?」「あるいは安かろう悪かろうの地雷か?」と疑いました。
しかし、実際に購入してVALORANTで半年間使い倒した今、その疑念は「驚愕」へと変わっています。
今回レビューするのは、MonsGeek(モンスギーク)の『FUN60PRO(FUN60 Pro SP)』。 通常、ラピッドトリガー搭載のゲーミングキーボードといえば、WootingやZENAIM、Realforceなど3万円〜5万円クラスが当たり前の世界です。
そんな中、約6,000円という「価格破壊」を起こしているこのキーボード。 果たして実戦で通用するのか? 安さの裏に罠はないのか? 半年間メイン機として使い続けたFPSゲーマーの視点から、忖度なしの徹底レビューをお届けします。

1. MonsGeek FUN60PRO とは? 衝撃のスペック
まずは、このキーボードがなぜここまで騒がれているのか、スペックを整理します。
- 製品名: MonsGeek FUN60PRO(FUN60 Pro SP 国内正規品)
- スイッチ: 磁気スイッチ(ホールエフェクトセンサー)
- アクチュエーションポイント: 0.1mm 〜 4.0mm(調整可能)
- ラピッドトリガー: 0.01mm 〜 調整可能
- ポーリングレート: 8000Hz対応(※モデル/設定によるが高速応答)
- サイズ: 60%コンパクト
- 購入価格: 約5,980円(※変動あり)
なぜ「磁気スイッチ」が重要なのか
従来のメカニカルスイッチ(赤軸や青軸)は、物理的な接点が触れることで入力を検知していました。 一方、このFUN60PROが搭載しているのは「磁気スイッチ」。磁力の強弱でキーの沈み込みをアナログに検知します。
これにより、物理的な摩耗が少ないだけでなく、後述する「ラピッドトリガー」というFPSにおけるチート級の機能を実現しているのです。 この技術が、5,000円台で搭載されていること自体が、一昔前では考えられない異常事態です。
2. 実践!VALORANTで感じた「Pay to Win」の性能
スペック上の数字がすごくても、ゲームで使えなければ意味がありません。 私のメインタイトルである『VALORANT』で、実際にダイヤ〜アセンダント帯のランクマッチを回して検証しました。
① ストッピングが「思考と直結」する
VALORANTにおいて最も重要な技術の一つが「ストッピング(移動を止めて射撃精度を戻す)」です。 逆キー入力(例:Dで移動中にAを一瞬押す)で止まる際、ラピッドトリガーの効果は絶大でした。
- 従来: キーを離す → バネが戻りきるまで待つ → 入力が切れる(ラグがある)
- FUN60PRO: キーをほんの少し(0.01mm〜)緩める → 即座に入力が切れる
この「指を離そう」と意識した瞬間にキャラが止まる感覚。 これまでは3万円以上のキーボードでしか味わえなかった「キレ」が、完全に再現されています。特にマイクロアジャスト(細かい位置調整)や、壁から一瞬だけ体を出して撃つ「ジグルピーク」の成功率が目に見えて上がりました。
② アクチュエーション0.1mmの反応速度
キーの反応開始位置(アクチュエーションポイント)を最短0.1mmに設定すると、もはや「キーに指が触れた瞬間」にキャラが動きます。
最初は敏感すぎて誤爆することもありましたが、慣れると「思った瞬間にスキルが出ている」という感覚になります。 ジェットのブリンクや、レイナのディスミスなど、0.1秒が生死を分ける場面で、デバイスによる遅延を言い訳にできなくなります。
③ 8000Hzの恩恵はあるか?
スペック上は高速ポーリングレートに対応していますが、正直なところ、人間の体感で1000Hzとの違いを明確に感じるのは難しいです。 ただ、「理論上の遅延が極限まで少ない」という事実は、メンタル面での安心感に繋がります。
3. 半年間の長期使用レポート:耐久性と普段使い
「安いキーボードはすぐ壊れるのでは?」 この懸念を払拭するために、半年間、毎日5時間以上ハードに使用しました。
耐久性:チャタリング・不具合なし
結論から言うと、現時点で故障ゼロです。 磁気スイッチは物理的な接点がないため、構造上チャタリング(一度押しただけで連打される不具合)が起きにくいと言われています。 実際に半年間、WASDキーを酷使しましたが、反応が悪くなったり、キーが戻らなくなったりするトラブルは一度もありません。ビルドクオリティ(筐体の剛性)も、プラスチック製ながらしっかりしており、きしみやたわみも感じません。
打鍵感と普段使い
打鍵音は「コトコト」というよりは、少し軽めの「カタカタ」系。 高級なカスタムキーボードのような重厚感はありませんが、不快な金属反響音も少なく、非常に軽快です。
また、設定ソフトで「ゲームモード(0.1mm反応)」と「タイピングモード(2.0mm反応)」を切り替えられるため、仕事での文章作成時に「触れただけで入力されてしまう誤爆」を防ぐことも可能です。 私はブログ執筆もこのキーボードで行っていますが、キータッチが軽いので長時間のタイピングでも指が疲れにくく、意外にも仕事道具として優秀でした。
4. 購入前に知っておくべき「安さの理由」
ここまでベタ褒めですが、プロのレビューとして公平に「コストカットされている部分(デメリット)も指摘します。
① ソフトウェアが少し玄人向け
大手メーカー(RazerやLogicool)のソフトに比べると、MonsGeekのドライバソフトはUI(見た目)がシンプルで、少し説明不足な部分があります。 日本語翻訳が怪しい箇所もあり、直感的にすべての機能を使いこなすには、ネットで情報を調べるリテラシーが多少必要です。
② デザインと質感は「ザ・プラスチック」
アルミ削り出しのような高級感はありません。 軽量なプラスチック筐体なので、高級感を求める人には物足りないでしょう。ただ、デスクに置いた時の見た目はシンプルでマットな質感なので、決して「安っぽいおもちゃ」には見えません。
③ 情報量の少なさ
Wootingであれば、世界中のプロゲーマーが設定値を公開していますが、MonsGeekはまだユーザーが少なく、設定のベストプラクティスを自分で探る必要があります。 「誰かの設定をそのままコピーしたい」という人には少しハードルが高いかもしれません。
5. 結局、誰におすすめなのか?
MonsGeek FUN60PRO は、以下のような人に「最強の選択肢」となります。
- ラピッドトリガーを試してみたいが、3万円も出せない学生・社会人
- VALORANTやApexで「デバイスの差」を感じ始めた中級者
- ブランド名よりも「実性能とコスパ」を最優先する人
- サブ機として、壊れても精神的ダメージが少ないラピトリ機が欲しい人
逆に、「金属製の重厚なキーボードが欲しい」「困った時に日本語の厚いサポートがないと不安」という方は、高くてもRealforceやZENAIMを買うべきです。
まとめ:5,000円台で買える「勝利へのチケット」
半年間使い倒した結論。 「MonsGeek FUN60PROは、ラピッドトリガーの民主化を成し遂げた名機である」
5,980円という価格で、FPSにおける「Pay to Win(課金して勝つ)」と言われる機能を完全に実装しています。 正直、このキーボードを使って撃ち合いに負けたなら、それはもうデバイスのせいではなく実力のせいです。そう言い切れるだけの性能があります。
もしあなたが、今使っている普通のメカニカルキーボードに限界を感じているなら。 あるいは、ラピッドトリガーに興味があるけれど価格で諦めていたなら。
在庫があるうちに、ぜひこの「価格破壊」を体験してみてください。 最初の1ラウンド目、ストッピングのあまりの速さに、思わず笑ってしまうはずです。




コメント